青水無月と雨のピアノ曲
- みねりら
- 2024年6月7日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年6月13日
こんにちは。みねりらです。
すっかり6月になりましたね。6月の代表的な和風月名は”水無月””ですが、最近友人に”青水無月”という名称を教えてもらってからすっかりこの言葉の響きが気に入っています。6月2日にはこの言葉を題したコンサートも行い無事に終演しました。そちらの様子などはInstagramやXに掲載いたしますのでよろしければご覧ください♪
自宅の庭の紫陽花も咲き始めていて、小学生の生徒さんが「きれい!」とレッスン前に見つけてくれていました。こういう、ふとした瞬間の美しさや感動に気がついてそれを素直に言葉にできるというのはすごく素敵なことですよね。音楽も、小さな気づきや趣がたくさん重なって、ひとつの大きな感動を作り上げていくと私は思うので、将来彼女がどんな感動を紡いでくれるのか今から楽しみです。
雨の日も数ヶ月前に比べると増えてきました。外出中の雨はどうしても苦手ですが、眠れない夜更けに窓を打つ雨の音に耳をすませることや、目が覚めて意識が朧げな中で目にする灰色の空とその後ろに聞こえる雨の音は好きです。
「雨」を連想させるピアノ曲といえば、
ドビュッシーの「雨の庭」
ショパンの「雨だれ」の前奏曲
が有名ですよね。どちらもタイトルに”雨”が入った曲ですが、思い浮かぶ情景や曲の構成は全く異なります。私的には、ドビュッシーは映像が浮かび、ショパンは自分の心と対話するような、思いを馳せるような、そんな違いを感じます。
この2曲を先述した演奏会で弾いたのですが、準備の間に数々の音源を聴いていたのでその中からいくつかをピックアップして聴き比べというかそれぞれの感想を書きたいなと思います。
まずは1番聴いていた藤田真央さんの演奏。
左手にスラーがつく音形の箇所の、まるで空模様が定点カメラの早送り映像みたいに変化していく感じとかも好きなのですが、何よりも118小節〜121節目の急速に降り注ぐ雨粒のようなクリアで勢いのある音、その後の128小節の右手のフレーズの美しさが大好きです。
続いて福間洸太朗さん。
音の粒がすごく立っていてクリアな響きが、雨がすごく降っているのに湿気を感じないというか、私が感じる雨のネガティブな要素が全然ない空模様って感じです。調べたら、フランスは湿度がとても低くて雨の日でも気温がカラッとしていて傘をささない人も多いみたいですね。1番壮大な虹がかかってそう。
最後はジャック・ルヴィエ。
今までで1番テンポは遅め、音も鋭すぎず角が少し丸い感じ。これこそ、私が部屋の中から聴きたい雨音って感じですね。雨だけど落ち着くっていうか、雨だしお気に入りのマグカップにあたたかい紅茶でも入れてゆっくりしようってなりそうな。最後も、もしかして止みそうかな?そろそろ外に出れるかな?ってカーテンから外を窺う姿が浮かんできます。
いかがでしたでしょうか?こうして雨の音を描くような音楽を聴いて話をしていると、だんだん雨が好きになりそうですね。少し憂鬱になってしまいそうな雨の日でも、こんな音楽を思い出してちょっとした幸せを見つけられたらいいなと思います。
今回は3人の演奏家をご紹介しましたが、ここには挙げきれないくらい沢山の演奏家がこの作品を演奏していて、音源もたくさん残っており、ありがたいことに今は簡単にそれらを聴くことができます。そして、もちろんひとつとして同じ演奏はありません。ぜひ、お気に入りの「雨の庭」を探していただけたらと思います。おすすめがあったら教えていただきたいです!
それでは今回はこの辺りでおしまいです。